
どうも。くすりしリアルです。
今回は第四弾ということで、「インフルエンザの予防接種、いつ受けるのがベストか」についてお伝えします。
毎年「そろそろ予防接種の案内が届いたけど、いつ受ければいいんだろう?」と迷う方は多いのではないでしょうか。実は今シーズン(2026/27シーズン)は、例年よりかなり早いタイミングでインフルエンザが広がり始めています。今回は、ワクチンの効果が出るまでの仕組みと合わせて、接種タイミングの考え方を整理します。
今年は「真夏の流行」という異例の状況
厚生労働省の発表によると、2026年第35週(8月24日〜8月30日)の全国のインフルエンザ定点当たり報告数は1.76で、前年同時期の0.35と比べて約5倍の水準となっています(厚生労働省, インフルエンザの発生状況について(令和8年9月4日公表))。
通常、日本国内のインフルエンザは12月ごろから流行が始まり、1月末から3月上旬にかけてピークを迎えるとされています(厚生労働省, インフルエンザワクチン(季節性))。しかし今年のように真夏から患者数が増えている年は、いつも通りの感覚で「11月ごろに受ければ大丈夫」と考えていると、想定より早く迎える流行の波に間に合わない可能性も考えられます。
ワクチンの効果が出るまでの時間を逆算する

ワクチンは接種してすぐに効果を発揮するわけではありません。一般に、接種後に体の中で抗体ができるまでに1〜2週間程度かかり、効果のピークは接種から1か月ほど後とされ、その後は少しずつ効果が弱まりながらおおむね5か月程度は一定の予防効果が持続すると考えられています(厚生労働省, インフルエンザワクチンの添付文書(参考資料1-1))。
この「効果が出るまでのタイムラグ」と「流行のピーク時期」を逆算すると、例年であれば10月中旬から11月中、遅くとも12月中旬までには接種を済ませておくのが望ましいとされています(厚生労働省, 令和6年度インフルエンザQ&A)。
ただし今シーズンのように流行入りが早い年は、いつも通り11月ごろに受けたのでは、効果がピークに達する前に感染してしまうケースも出てくるかもしれません。持病がある方やご高齢の方、小さなお子さんがいるご家庭などは、例年より少し早めの接種を検討してもよいか、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみることをおすすめします。
そもそもワクチンにはどのくらいの効果があるの?
インフルエンザワクチンは、接種すれば絶対にかからなくなるというものではありません。ただし、発病や重症化を防ぐことに一定の効果があるとされています。厚生労働省の資料では、高齢者施設入所者を対象とした研究で発病を34〜55%阻止し、死亡を82%阻止したとの報告や、6歳未満の小児を対象とした研究で60%程度の発病阻止効果があったとの報告が紹介されています(厚生労働省, 令和6年度インフルエンザQ&A)。
「打ったのにかかってしまった」という声を聞くこともありますが、ワクチンの主な役割は感染そのものを完全に防ぐことよりも、重症化や死亡のリスクを下げることにあると理解しておくとよいでしょう。
他のワクチンと一緒に受けても大丈夫?
「新型コロナワクチンや肺炎球菌ワクチンと間隔を空けないといけないのでは?」と気にされる方も多いのですが、2020年10月の制度改正により、注射の生ワクチンどうしを接種する場合を除いて、異なる種類のワクチンの接種間隔に制限はなくなりました(厚生労働省, ワクチンの接種間隔に関する規定を改正することに伴う対応について)。
実際、高齢者では新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種が積極的に勧められる場面もあります(日本感染症学会, 2025/26シーズンに向けたインフルエンザワクチン接種に関する考え方とトピックス)。ただし同時接種を行うかどうかは医師が体調などを見て判断するため、迷ったときは接種を受ける医療機関で相談してください。
2026/27シーズンのワクチンについて豆知識
今シーズンのワクチンは、前シーズンに続きA型2株・B型1株の3価ワクチンとして製造されています(B型山形系統は2020年以降世界的に検出されておらず、ワクチンには含まれていません)(東京都感染症情報センター, 2026〜2027年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株)。ワクチンの中身は毎年その年に流行しそうな型に合わせて見直されているんですね。
まとめ
インフルエンザワクチンは、接種後1〜2週間ほどで効果が出始め、1か月後にピーク、その後およそ5か月ほど効果が続くとされています。例年であれば10月中旬〜12月中旬ごろまでの接種が目安ですが、今シーズンのように流行入りが早い年は、いつも通りのタイミングにこだわらず、早めの接種を検討する価値があります。
持病がある方、妊娠中の方、体調に不安がある方は、接種のタイミングや可否について自己判断せず、かかりつけの医師や薬局の薬剤師に相談してから決めるようにしてください。

くすりしリアルでした。次回もお楽しみに。
参考文献
- 厚生労働省. インフルエンザワクチン(季節性). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/influenza/index.html
- 厚生労働省. 令和6年度インフルエンザQ&A. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2024.html
- 厚生労働省. インフルエンザの発生状況について(令和8年9月4日公表, 第35週分). https://www.mhlw.go.jp/content/001745116.pdf
- 厚生労働省. インフルエンザワクチンの添付文書(参考資料1-1). https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020b41-att/2r98520000020b8o.pdf
- 厚生労働省. ワクチンの接種間隔に関する規定を改正することに伴う対応について(第45回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会等資料). https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000590724.pdf
- 一般社団法人日本感染症学会. 2025/26シーズンに向けたインフルエンザワクチン接種に関する考え方とトピックス. https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/influenza_2501003.pdf
- 東京都感染症情報センター. 2026〜2027年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株. https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/vaccine2026/
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を代替するものではありません。体調に不安がある場合は医師・薬剤師にご相談ください。

