
どうも。くすりしリアルです。
今回は第一弾ということで、よく使われる薬の痛み止めについてお伝えします。
皆さんは、日常生活で「痛み止め」を使ったことがあるでしょうか?
頭痛や生理痛、喉の痛みなど、痛みは誰にでも起こりうる不調です。
そんな時にイブ®やロキソニン®などの痛み止めが一般的に使用されると思います。

これらはドラッグストアで手に入る市販薬として販売されており、手軽に使用することができます。また病院での処方せんの薬としても用いられることもあります。
2026年7月29日、厚生労働省の薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、ロキソニン®Sなどロキソプロフェンを含む一般用医薬品のリスク区分を「指定第2類医薬品」に変更することが条件付きで了承されました(日刊薬業, 2026)。
しかし、そんな痛み止めは重大な副作用があることをご存知でしょうか?
ずっと前から使用していて、今のところ何もないから私は関係ない、と思う方もいるかもしれませんが、それが将来的に影響を及ぼすこともあります。
今回は、そんな身近な痛み止めについて、種類や副作用、注意すべき点をお伝えしたいと思います。
痛み止めの種類
痛み止めには主に以下のものがあります。
アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは、軽度から中等度の痛みや発熱を和らげるためによく使用される薬です。
一般的に下に記載しているNSAIDsより副作用を起こしにくい薬と言われています。
病院では、カロナール®という名前で処方されることが多く、日常的な頭痛や筋肉痛、風邪の症状などに幅広く利用されています。
成分が含まれている代表的な市販薬
・タイレノールA®
・カロナールA®
・バファリンルナJ®
NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、痛みだけでなく炎症を抑える効果もあり、効果はアセトアミノフェン製剤より強いとされています。
市販で多く使用されており、病院でも処方されることが多くあります。
成分が含まれている代表的な市販薬
・バファリンA®(成分:アスピリン)
・イブA錠®(成分:イブプロフェン)
・ナロンエースT®(成分:イブプロフェン、エテンザミド)
・ロキソニンS®(成分:ロキソプロフェン)

上記のアセトアミノフェンとNSAIDsの両方が入っているものもあります。
その他
市販薬には上記の痛み止め成分のほか、痛み止めを助ける成分が入っているものもあります。痛みの神経を抑えて効果を示すものがあります。

神経を抑えるブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素は、眠くなりやすい成分なので運転などには注意が必要です!
また病院で処方される痛み止めには、さらに強力なものとしてオピオイド系鎮痛薬や、神経痛に特化した薬もありますが、依存性や副作用のリスクも高いため、厳格な管理のもとで使用されます。
痛み止めの副作用

くすりにはリスクがつきものです!!
痛み止めは効果が得られる反面、副作用に十分な注意が必要です。
一般的に、NSAIDsのほうが副作用は現れやすいですが、アセトアミノフェンでも起こることがあります。
副作用として以下のものが挙げられます。
胃腸障害
症状:

- 吐き気
- 胃の痛み
- 胃の違和感
- 胸やけ
- 胃酸がこみあげる
- 吐血
- 黒い便
- 貧血
痛み止めには血流を減少作用があります。
胃や腸への血流が減少することで、防御機構が減少し胃腸障害を生じます。それにより吐き気や胃の違和感や胸やけ、消化管での出血、それによる貧血などを生じます。
長期間または高用量で使用すると、胃潰瘍や胃炎、出血性胃腸炎などのリスクが高まります。ご高齢の方や胃潰瘍の既往などがある方は特に注意が必要です(Harirforoosh et al., 2013)。
腎機能障害
症状:
- 自覚しにくく無症状→採血で腎機能数値が高いと指摘
- 尿量が少ない
- 吐き気
- 食欲が減る
- むくみ
- だるさ

胃の時と同様に、腎臓に対して血流が減少することにより
急性腎障害(AKI)や、長期間の使用により慢性腎臓病(CKD)を引き起こす可能性があります。PMDAの添付文書でも、浮腫・タンパク尿・血清クレアチニン上昇に加え、重篤な副作用として急性腎障害(急性尿細管壊死)や間質性腎炎、ネフローゼ症候群が報告されています(PMDA添付文書, ロキソプロフェンNa錠;Harirforoosh et al., 2013)。
腎機能障害を放置しておくと、最悪の場合透析になってしまうことがあります。
そして、少し厄介なのが、腎機能障害は進行するまで症状を自覚しにくいところです。

私自身薬剤師として働いていて、実際に
10数年間市販の痛み止めを使用していて、その後に腎臓の機能が低下した
という方に遭遇したことがあります。
特に、既に腎機能障害がある方、糖尿病のある方では、NSAIDsの使用による腎機能の低下が起こりやすいので痛み止めを使用する場合は、一度医師や薬剤師など専門の方にご相談ください。
肝機能障害
症状:
- 自覚しにくく無症状→採血で肝機能数値が高いと指摘
- 食欲が減る
- むくみ
- だるさ
痛み止めは、肝機能に影響を与える可能性があります。
さらに、一般的に副作用の少ないといわれているアセトアミノフェン製剤では肝機能障害の報告があるため、服用する方はアルコールは控えましょう。特に、アセトアミノフェンとして1日総量1500mgを超える高用量で長期投与する場合、重篤な肝障害が発現するおそれがあることが添付文書の警告欄に明記されており、定期的な肝機能検査が推奨されています(PMDA患者向医薬品ガイド, カロナール錠;Jóźwiak-Bebenista & Nowak, 2014)。
特に、アルコールを常用する、肝臓に疾患がある方は、肝臓への負担が大きくなりやすくなります。

薬の効果に影響するだけではなく副作用の原因にもなりうるので、薬の服用中のアルコールは控えましょう。
喘息症状(アスピリン喘息)

症状:
- 喘息症状
- 咳
- 息苦しさ
- 喘鳴(呼吸時のヒューヒュー音)
アスピリン喘息は、痛み止めを使用することでアレルギー反応を引き起こし、気道が狭くなり喘息発作を起こす病態です。
このため、喘息持ちの方、特に痛み止めで喘息発作を起こしたことがある方は注意が必要です。これらの方は基本的に痛み止めは自分の判断で服用はしないほうが良いと思われます。
「アスピリン喘息」と呼ばれるため、アスピリンに限定されると誤解されがちですが、実際には痛み止め全般のほかのNSAIDsやアセトアミノフェンでも喘息発作を引き起こすことがあります(Settipane & Stevenson, 1989)。
血圧上昇や心臓病、脳血管疾患
アセトアミノフェンやNSAIDsは、血圧上昇に影響することがあります。特に高血圧の方は注意が必要です。

高血圧の方は、痛み止め以外にも市販のお薬で血圧が上がるおそれがあるので、必ず購入する前に薬剤師や登録販売者に相談してください。
また、不整脈や心筋梗塞、脳卒中のリスクを増加させることがあります。
特に長期使用や高用量の使用は注意が必要です(Harirforoosh et al., 2013)。
その他
NSAIDsやアセトアミノフェンは、稀ではありますが皮膚が剥離、水疱ができるなど、極めて重篤な副作用のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)を引き起こすことがあります。これらはPMDAの添付文書上も「重大な副作用」として記載されています(PMDA添付文書, ロキソプロフェンNa錠)。
そのほかにも人によってはむくみや発疹などがでることが報告されています
結局どう飲むのが良いの?
ここまで痛み止めの種類と副作用について解説してきましたが、

じゃあ、どう飲めばよいんですか?
となりますね。
痛み止めを安全に使うために、まず大切なのは漫然と長期間使い続けないことです。ロキソニンS®の添付文書でも、3〜5日間服用しても症状が改善しない場合は、他の疾患の可能性も考えられるため服用を中止し、医療機関を受診することとされています(第一三共ヘルスケア, ロキソニンSに関するFAQ)。
また、高齢の方、胃潰瘍の既往がある方、高血圧や心臓病、腎機能・肝機能障害のある方は副作用が起こりやすいため、使用前に医師や薬剤師に相談しましょう。持病があってほかの薬を服用している方、使用中に体調の変化を感じた方、症状の改善が見られない方も、早めに病院の医師や薬局・ドラッグストアの薬剤師に相談することをおすすめします。
そのほか、胃腸障害を抑えるためには食後に服用する、多めの水で服用する、胃薬を併用することも有効な手段です。多めの水で服用することで、錠剤やカプセルが食道に留まりにくくなり、粘膜への刺激を減らせると報告されています(Hey et al., 1982)。
市販薬でも胃薬が配合されている薬が多く販売されています。胃腸障害を心配される方はそういった商品を購入をご検討するとよいでしょう。
胃を保護する成分が含まれている代表的な市販薬
・バファリンA®(主成分:アスピリン+ダイアルミネート)
・イブクイック頭痛薬®(主成分:イブプロフェン+酸化マグネシウム)
・ロキソニンSプラス®(主成分:ロキソプロフェン+酸化マグネシウム)

食後に服用することで、胃への刺激を軽減できる場合がありますが、必ず防げるわけではありません。
胃腸障害のリスクが高い方では、医師の判断で胃粘膜保護薬などを併用することがあります。
まとめ
アセトアミノフェンとNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、どちらも痛みを和らげるために広く使用される薬ですが、それぞれ異なる特徴とリスクがあります。
| 薬の効果 | NSAIDs > アセトアミノフェン |
| 副作用の起こりやすさ | NSAIDs > アセトアミノフェン |
服用方法
胃腸障害を抑えるため、以下の服用方法がおすすめします。
副作用
| アセトアミノフェン | NSAIDs | |
| 副作用 | ・胃腸障害、喘息、腎機能障害、心臓病、高血圧(NSAIDsに比べて可能性低い) ・まれに肝機能に影響を与えることあり、特にアルコールを常飲している人は注意 | ・胃腸障害、喘息、腎機能障害、心臓病、高血圧(アセトアミノフェンに比べて可能性高い) |
- 胃腸障害、腎機能障害、高血圧、心臓病のある方は、必ず使用の前に医師や薬剤師など専門家に相談
- 3〜5日間服用しても症状が改善しない場合は、漫然と使用を続けず医療機関を受診する
- 長期間使用する場合は、定期的な腎機能や肝機能の検査を行うことが推奨

痛み止めを長く飲まれる方は、原因をはっきりとするためにも一度は医療機関を受診することをお勧めします。

くすりしリアルでした。次回もお楽しみに。
参考文献
- Settipane, R., & Stevenson, D. (1989). Cross sensitivity with acetaminophen in aspirin-sensitive subjects with asthma.. The Journal of allergy and clinical immunology, 84 1, 26-33 . https://doi.org/10.1016/0091-6749(89)90174-7
- Hey, H., Jørgensen, F., Sørensen, K., Hasselbalch, H., & Wamberg, T. (1982). Oesophageal transit of six commonly used tablets and capsules.. British Medical Journal (Clinical research ed.), 285, 1717 – 1719. https://doi.org/10.1136/bmj.285.6356.1717
- Jóźwiak-Bebenista M, Nowak JZ. Paracetamol: mechanism of action, applications and safety concern. Acta Pol Pharm. 2014 Jan-Feb;71(1):11-23. PMID: 24779190.
- Harirforoosh S, Asghar W, Jamali F. Adverse effects of nonsteroidal antiinflammatory drugs: an update of gastrointestinal, cardiovascular and renal complications. J Pharm Pharm Sci. 2013;16(5):821-47. doi: 10.18433/j3vw2f. PMID: 24393558.
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). ロキソプロフェンNa錠60mg「OHA」添付文書. https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/180095_1149019F1714_2_00G.pdf
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). カロナール錠200/300/500 患者向医薬品ガイド(2023年10月更新). https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/172190_1141007F1063_5_09G.pdf
- 日刊薬業. ロキソニンS指定2類移行、条件付き了承 厚労省・安対調査会(2026年7月29日). https://nk.jiho.jp/article/304086
- 第一三共ヘルスケア株式会社. ロキソニンSは、何日間服用できますか?(よくあるご質問). https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/support/faq/faq_loxonin-s_q00002.html
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を代替するものではありません。体調に不安がある場合は医師・薬剤師にご相談ください。

